母親が乳幼児の育児に際して自信の無さや不安(ストレス)や困惑などを抱き、乳幼児への否定的な感情といった情緒・感情の変化から、衝動的な攻撃を伴うものまで、かなりの幅があります。これらは「育児ストレス」や「育児ノイローゼ」とも表現されますが、そのような病的な状態に至らなくても、もっと漠然とした不安や困惑なども子育て不安と思われます。
ただし、乳幼児の育児について、育児の事細かい方法や乳幼児の病気などで、一時的・瞬間的に不安や戸惑いを感じるようなものは、どの母親も経験することなので、子育て不安には含みません。子育て不安とされるものは、ストレスと感じる感情失禁、不安や困惑、抑うつ気分、衝動性が継続的に続くものとされています。また、出産の直後や産後2,3日から3週間くらいの時期、母親が情緒的に不安定になり涙もろくなったりする場合は、「マタ-ニティ・ブル―ズ」といわれ、子育て不安とは区別します。ただし、これが、そのまま改善しない場合、産後うつ病に移行することもあるといわれています。
夫が子育てに極めて非協力的な場合や父親が居ない場合(離婚、シングル・マザー)には、母親が子育て不安から産後うつ病になりやすいことも指摘されています。