セロトニンは臨床上、抗がん剤の点滴投与により、腸管内セロトニンが活性化され、激しい悪心・嘔吐、錯乱に陥り、患者さまにとっては恐怖の物質でした。
その後、セロトニンは脳内の活性物質として製薬会社の目標とされました。
肺癌の外科・抗がん剤治療の専門医の経歴を経て、精神科指導医・専門医に転身した医師として、セロトニン系抗うつ剤を慎重を期して処方しながら、さらに、より安全で副作用が少なく、効果も速効性で、依存性が殆ど無い薬剤治療を探求し続けました。
その結果、現在、当院では副作用の強いセロトニン系抗うつ剤に頼らずに、上記に記載致しました疾患や症状に対して、依存性の殆ど無い抗精神病薬剤に他の薬剤を組み合わせ、より安全で効果に優れた処方薬剤に到りました。
そして、患者さまに各薬剤を丁寧に一錠ずつ手に取って説明し、理解と同意を得て薬剤の処方を致しております。
その結果、上記の疾患や症状は早期に改善され、依存性が殆ど無く、安全性、効果・速効性に極めて優れているとの、ご感想を多くの患者さまから頂いております。
医師として精神科治療において薬剤治療の支援を致すことは多いとは思いますけれど、最も大切なことは、その後に患者さま、ご本人自身から回避行動(無断欠勤や苦痛に感じる状況・場所を避けることなど)を無くして頂くことです。
そのためには自宅に引き込もらないで、外出をしながら行動の回数や種類を多くして頂き、規則正しい日常生活を送って頂くことが、とても大切になります。
これらの連携により早期に(2~3ヵ月から6ヵ月)、医師の支援は受けたけれど、自分から行動して自信を獲得し、乗り切ったのは私自身だ!という自負を持たれるようになっていかれます。
最終的には、行動制限が全く無くなり、以前のような安定した日常生活や社会生活(アルバイトの再開や就労復帰)へと卒業されて行かれることが精神科医師としての至上の喜びと感じております。