安定剤(精神安定剤=抗不安薬)・抗うつ薬に頼らない治療

はじめに

患者さま皆様へのお願い

当院では、下記の理由から精神安定剤(抗不安薬)・抗うつ薬などの処方を慎重に検討し、患者さまの安全性を最優先として診療にあたっております。

今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。

精神安定剤(抗不安薬)について

抗不安薬は殆どがベンゾジアゼピン受容体作動薬に分類され、不安・緊張・恐怖・焦燥などに精神科・心療内科以外の内科や外科などで処方されています。精神科・心療内科では、パニック障害や社会不安障害に処方されるセロトニン系抗うつ薬SSRIの効果発現までの数周単位の期間の症状軽減のために処方される場合が多いようです。

ただし、頭がボ-ッとしたり、眠気や身体のだるさを伴う場合も多いようです。

日常的に一日数回で内服される場合、最短4週間で依存性が形成されると報告されています。

デパス(エチゾラム)、リ-ゼ(クロチアゼパム)ソラナックス(アルプラゾラム)、ワイパックス(ロラゼパム)、セルシン・ホリゾン(ジアゼパム)、セニラン・レキソタン(ブロマゼパム)、メイラックス(ロフラゼプ酸エチル)、セパゾン(クロキサゾラム)などが処方されています。短時間型のデパスやソラナックスなどの併用は依存性や耐性がより形成されやすいと指摘されています。そしてWHO(世界保健機構)からは以前より日本は欧米先進国と比較して、患者さま一人に対して抗不安薬を10倍から20倍以上処方されており、重大な依存性や耐性を指摘警告されています。

不安・緊張・恐怖・焦燥などのために患者さまが抗不安薬の増量や併用などを希望されたり、複数の医療機関から抗不安薬を入手したりなど、抗不安薬への依存の危険性や恐怖を医師として、日々、痛感させられています。

これらの状況に対して、患者さまの置かれている環境調整や精神療法の導入やセロトニン系抗うつ薬SSRIの使用で抗不安薬への依存から離脱へと導くなどの提言があります。精神科医師として、環境調整などは家庭環境や会社での業務内容や対人関係などには介入困難であり、精神療法などは初診時から導入しても、これらの依存が残存しています。セロトニン系抗うつSSRIなどは当院の前回のホ-ム・ペ-ジ項目で報告させて頂いています。副作用の多さと効果が遅く充分に期待出来ないことなどから、精神科医として、患者さまの年齢や性別にもよりますが、臨床応用に充分な信頼感や安全性を最優先と考慮して、直ぐに処方することには躊躇する場合もありました。

以上の絡み合った、それぞれの薬剤の効果の不充分さと副作用の強さと依存性などを解決するために、何十年年前から厚生労働省から承認され、安定した多くの効果と副作用の少ない抗精神病薬などについても学び、詳細に調べておりました。

精神科医に転身し、その時点から18年以上にわたりこの抗精神病薬処方を続けているのは、適用症状の範囲の多さ(不安・緊張・恐怖・焦燥などが和らぎ=特に対人関係にこだわらなくなり、開き直れ、苦痛に感じる上司・同僚・部下の存在、発言、行動などを気にせずにマイ・ペ-スで考え、行動できるようになる。衝動性を和らげ、精神賦活作用も有する=意欲が向上され、思考が整理され、頭がスッキリする。他にも悪心・嘔吐を防ぎ、メニエル症候群=めまい・耳鳴り・ふらつきを和らげるなど。)と、その効果の確実性・速効性=時間単位・副作用の少なさ、そして価格が廉価なことなども患者さまとって、とても大切なことです。

依存性は殆ど無く(抗うつ薬と異なり蓄積作用が無いため)、副作用は少なく(効果が著明で昼食後に眠くなるのは=治ってきた徴候です)、効果が確実で速効性で、しかも廉価であることは診療にあたって、患者さまに優しい医療に力強い支援となります。

そして、社会不安障害・パニック障害・自律神経機能不全(動悸・息苦しさ・めまい・耳鳴り・ふらつき・頭痛・手の震え・発汗・胃痛・吐き気・下痢など)など症状に合わせた循環器治療薬や自律神経調整薬・消化器治療薬などを併用して完全に症状を抑えます。

抗不安薬や抗うつ薬を処方しないので、依存性が殆ど無く(抗うつ薬と異なり蓄積作用が無いため)副作用も少なく、効果・速効性に優れた、この抗精神病薬により効果的と判断しました治療症例
●慢性的な症状の治療:
毎日を数回の薬剤内服で安定させ行動の回数や種類増やし、予期不安などを払拭し、自分自身の内なる自信を獲得し、全く行動制限が無くなり、発作も完全に消失し、2~3ヵ月から6ヵ月(患者さまの行動の回数や種類の集中の多さによります)で治療を終了し、卒業されて行かれます。

●早急に必要と患者さまが望まれた状況の治療:
現在まで不可能と避け恐怖に感じて来た出来事を直ぐに可能にする治療
前述致しました長年にわたり安定した効果を発揮する抗精神病薬を効果発現する2時間前よりも効果が安定した状態になる2時間30分前に内服して頂くことで 現在までに行動不可能であった出来事は1症例もありませんでした。

●患者さまか“信じられなかったけれども、本当に出来ました!!”とご本人が笑顔と驚きで述べられた事例:
朝礼や会議・学会などで数十名から100人以上の聴衆や会長・社長の前でプレゼンテ-ション(発表)を出来ました。報道記者として狭くて暗く多数の記者の集まる中で質疑応答を出来ました。満員のバスや電車に乗れるようになりました。トイレの無い京浜東北線に乗れるようになりました。新幹線に乗れるようになりました。新幹線の“こだま”では無く遠距離の“のぞみ”に乗れるようになりました。故郷の鹿児島に帰省するのに飛行機で往復出来ました。ハワイへ彼と飛行機で行けました。(今まで電車やバスにも乗れ無かった患者さま)。欧州や米国に飛行機で行けました。(この患者さまも、今まで電車やバスにも乗れ無かった)70歳過ぎて気力も低下され、ご家族と受診された患者さまは、2回の治療の後でフィリピンやベトナムへ商談のために2ヵ月間、直ぐに飛行機で行動に移せました。狭く暗く長い地下鉄銀座線を歩いて地下鉄で通勤出来るようになれました。子供のおかあさん会への出席や会話・発言まで出来ました。美容室や歯医者さんや混んだス-パ-のレジにも行けるようになりました。多くの人々で混雑する場所でもお買い物や食事を楽しめるようになりました。暗くて狭い映画館で映画を楽しめました。病院やクリニックの混み合った待合室でも待つことが出来るようになれました。暗くて狭く振動する頭部のMRI検査をやっと受けることが出来ました。その他にもトンネル・エレベ-タ-・高い橋の上あるいは家にたった一人で居るなど、ご本人が逃れられないと予期不安が増強する状況でも落ち着いていられるようになりました。などなど。他にも恐怖で行動出来なかった種々の行動制限は総て解除出来ました。
その他も含めて抗不安薬や抗うつ薬を必要とせずに、副作用が少なく安全で効果・速効性に優れる、この抗精神病薬が効果的と推定される症例

対人緊張、恐怖症性不安障害、広場恐怖症、社会不安障害、適応障害、パニック障害、難治性パニック障害、強迫性障害、子育て不安・産後うつ病、高齢者のうつ病・うつ状態、自律神経機能不全(動悸・息苦しさ・めまい・耳鳴り・ふらつき・頭痛・手の震え・発汗・胃痛・吐き気・下痢など)、慢性疼痛、高齢者の手足のしびれ・疼痛・ふらつき・めまい・耳鳴り、など。

抗うつ薬について

セロトニン系抗うつ薬SSRI・SNRIおよび他の抗うつ薬の処方によっても、期待に充分にはそぐわない効果

最初に、セロトニン系抗うつ薬SSRIやSNRI・および他の抗うつ薬では効果発現までに数周単位の時間がかかり(蓄積作用により効果発現するため)、効果が不充分で、意欲が向上せずに、積極的になれなかったり、行動的になれないなどの意見や報告が寄せられています。

その原因の第一は目標とする到達点が.今まで出来ていた安定した日常生活や社会生活(仕事や学業やアルバイトなど)の能率が低下したり、出来なくなったりした状況で以前のように活動を出来ることを目指していることです。

しかし,現実的には半年から一年半の間,治療を要しても期待に反して、60%から80%くらいしか気力や判断力や集中力が回復されない、依存性が強く、離脱症状を伴い、身体のだるさ、眠気、吐き気などが残存しているとの訴えなども寄せられているのが現状と思われます。

一方で業務や役割の内容は、日々、複雑に進化しており、休職からの復職や日常社会生活での役割への復帰などの場合には、今までの抗うつ薬で回復された状態以上の新しい事態への関心や判断力や集中力や対応能力ならびに創造力などまでを期待されます。このため思うように業務や役割に対応出来ずに、意に反して、最終的には退職したり、役割から身を引かざるを得ない場合もあるように思われます。

このため、治療効果の最終目標を今まで出来たこと以上に期待出来て、恐怖や不安や緊張や予期不安の解消、新しい事態への関心・新しい事態への挑戦で失敗しても再挑戦の意欲を失わない・興味・喜び・意欲・生きがいの向上などに引き上げられる治療効果を有する薬剤処方が望まれます。

従来の抗うつ薬以上のこれらの効果を期待するためには、ドパミン効果主体の作用を有する抗精神病薬と副作用を抑える薬剤および補助薬剤の併用処方は、依存性が殆ど見られず(抗うつ薬と異なり蓄積作用が無いため)、安全性や効果や速効性(数日単位)に優れていますので、現在の当院の診療ではこれらの処方が望ましいと判断するに至りました。

現在の外来診療では、この薬剤処方治療により良好な効果があったと、患者さまから、多くのご感想を頂き始めております。
ただし、医師として患者さまに予期出来る副作用を充分に説明申し上げ納得して頂き、治療にあたっております。しかし、予想外の副作用をおっしゃる患者さまも、いらっしゃるので今後も副作用対策に慎重で細心の注意を払い、より副作用が少なく、患者さまの安全性を最優先とした治療の検討を行い続けてまいります。

 

その他も含めて抗不安薬や抗うつ薬を必要とせずに、副作用が少なく安全で効果・速効性に優れる、ドパミン効果主体のこの抗精神病薬が効果的と推定される症例

対人恐怖、パーソナリティ障害(自傷行為・他害行為・過食嘔吐・薬物大量服用など)、うつ病・うつ状態、未成年のうつ病・うつ状態など。

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