躁うつ病からの回復

双極性感情障害、現在精神病症状を伴わない躁病エピソード

本件は、患者様より掲載許可および承諾をいただいています。

【初診時主訴】
テンションが上がり過ぎるのを何とかしたい。
【家族歴】
同胞2人中第1子、長男。叔母と祖母の3人で同居。
【既往歴】
特記すべき事なし。
【生育・生活歴】
大学2年で中退、1人暮らし。友人が出来ず辛く、気分は落ち込んで抑うつ気分が持続した。その後コンビニで半年勤務し、パソコンの専門学校で2年間学んだ。
【病前性格】
熱意は有ったが、積極性に欠けた。
【現病歴】
その後IT系の会社に入社した。社内はうつ病の人が多く、影響されないように、発言や行動したため、消極的になり、抑うつ気分と意欲が低下した。しかし、ある日遅くまで仕事をしていた時、頭がパーンと弾けるような感じになり、色んな感情や考えが次から次へと沸いてきた。その状態が日々続いて、テンションが上がり過ぎるので、何か病気なのかと思い受診した。
【初診時所見】
本人と実母が受診した。ずっと頭が覚醒していて、やる気で溢れている。全く眠くない。何をしても疲れない。良い考えがすごく浮かんで来る。やりたい事がいっぱいで、うずうずしている。楽しくて仕方がない。と述べ感情高揚や思考奔逸、談話心迫の状態は了解可能で有った。幻覚や妄想などは認めなかった。そして、テンションが上がり過ぎるのを何とかしたい。と訴えた。 
【診断・鑑別診断】
感情高揚や思考本逸、談話心迫の躁状態に有り、幻覚や妄想など認めず、うつ病エピソードから始まっている事から双極性感情障害・現在精神病症状を伴わない躁病エピソードと診断した。
【治療方針、治療経過】
まず、躁うつ病で有り、薬剤治療で症状は安定し、就労復帰は可能で有る。そのためには毎週面接をして、本人の症状・状態に併せて薬剤調整を行いながら、薬剤治療の継続が必要である旨を説明し、同意を得て治療を開始した。炭酸リチウム300mg・バルプロ酸300mg/日とオランザピン10mg/日から投与開始した。治療開始4週目には“3種類の薬で良くなって来ている。以前の自分に戻っているのかなあ?”と述べた。7週目には会社へ復職し定時の仕事も順調。その後、仕事中の眠気のためバルプロ酸を中止し眠気は改善した。毎週の面接で本人の症状を把握して薬剤の調整や助言などが再燃を防ぐために、効果的と思われた。経過中、炭酸リチウムを手指振戦のため中止した。“薬剤のオランザピンを眠前に飲んで、朝、眠くて仕方が無い”との訴えにオランザピン10mgを午後4時投与に変更し、眠りの質も向上し、朝から不安無く仕事が出来るようになった。復職以後、再燃も休職も無く、最終的にはオランザピン10mgのみで良好な治療効果を得た。本人は終電までの仕事もこなし、野球観戦や夏休みには下田へ温泉旅行、冬にはスノーボードなども楽しめるようになった。
【考察】
躁状態で受診されたが、毎週面接で本人の症状を把握して薬剤の調整や助言などが再燃を防ぐために、効果的と思われた。

セロトニン系抗うつ剤SSRI・SNRIの処方により発症する危険性が高い症状

まずはじめに、セロトニン系抗うつ剤SSRIやSNRIでは効果が不充分で、それほど意欲が向上せずに、積極的になれなかったり、行動的になれないなどの意見や報告が寄せられています。


●高齢者(50~55歳以上):錐体外路症状(手足が勝手に動く・あるいは動けなくなる、手足が震える、動き回る、身体が固くなる)、不安、錯乱、妄想、イライラなど。
●若い女性や未成年者など:精神行動症候群(アクティベーション)(自殺念慮・自殺企図・他害行為、錯乱、不穏)、身体のだるさ、頭痛、吐き気・嘔吐、めまい、眠気など。
●一般の患者さまなど:高齢者ほどではありませんが、不安定な精神状態で受診された状況に処方されると若い女性や未成年者などに準じる症状が発症する場合もあります。

セロトニン系抗うつ剤SSRISNRI以外の当院の処方薬剤は依存性が殆ど無く、安全性、効果・速効性に極めて優れているとの、ご感想を多くの患者さまから頂いております

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