院長ブログ

  • HOME
  • 院長ブログ
  • doctor

    対人恐怖や対人緊張で、精神的な不安や緊張や恐怖による苦痛のために日常生活や社会生活に、悩まれてお困りの方々へ

    対人恐怖と対人緊張~

     

    ■対人恐怖

    対人恐怖とは他人(知っている人あるいは知らない人)と接する場面で必要以上に強い不安や精神的緊張から“場にそぐわない発言や行動をして,笑われるんじゃないか!?”“軽蔑されるんじゃないか!?”“不快な思いをさせて、嫌がれるんじゃないか!?”“人の視線が気になる!?”などと、人と接する以前から自分一人で想像してしまう不安定な精神状態のことです。

     

    その結果、人と接すると様々な自律神経機能不全症状(動悸・胸苦しさ・息苦しさ・発汗・吐き気・胃痛・腹痛・下痢・めまい・ふらつき・耳鳴り・赤面・瞼の痙攣・滑舌不良・手足のしびれ・手足の震え・全身のしびれ・頭痛・肩凝りなど様々な症状)を伴う場合が多いです。

     

    このため結局、自己規制をして、人と接しないように自分で作りあげた用事や体調不良を言い訳にして、“外出しない”“出席しない“”出社しない“などの回避行動(人と接するのを極力避ける自己防御行動)をして、対人関係から出来るだけ身を退こうとして引きこもりがちとなり、行動しないことになってしまいます。

     

    島国として海に囲まれ孤立し、地続きの諸外国と比べ他民族との交流も少ない日本人には対人恐怖的な心理が潜在的に存在するとも言われています。

     

    これは誰にもある心理なので精神疾患までには至っていませんので、心療内科医や精神科医との面談と併せて、不安や緊要や恐怖を和らげ他人の評価など気にならなくなる軽いお薬(抗うつ剤SSRI・SNRIでは無く依存も副作用も殆ど有りません)などで2~3ヵ月から半年で自分自身の気持ちから、こんなことは自分だけの異常なことでは無いんだと確認し安心出来るようになります。

     

    だから自然に他人と接しても不安や緊要や恐怖を克服して、自信を持って対人関係を構築できるように成って行きます。しかし、お話だけでは、理解しても直ぐには恐怖を克服して行動には至らないので、先ほど説明しました軽いお薬を併用されて行動することに慣れて行きましょう。

    数カ月でお薬の補助をされなくても自信を持って対人関係を積極的に造り上げ、楽しめるようになりますよ。

     

    ■対人緊張

    対人緊張は対人恐怖と異なり、精神科用語では無く私たちが日常的に使う一般用語です。精神的緊張や不安には変わりませんが、対人恐怖ほど発言や行動に制限を受けずに出社したり、ママさん会や学級参観にも出席したりも出来ます。

     

    しかし、対人恐怖とは一線を画すのは、他民族との交流云々よりも自己達成力、自己完全欲の思いがより強く反映されていると思われます。以前より日本では“あがり症”と言う表現が有りますが、この心情としては“私も一生懸命やってきた。だからこの場では絶対に恥を掻かずに上手くこなしたい”と言う気持ちが強く成りすぎて、緊張が一気に高まった結果として、赤面症、吃音、声が震える,発汗、異常に喉が渇く、手が震える、などの症状(自律神経機能不全の初期症状)となって表われてしまいます。その時に“一回や二回くらい失敗したり、恥を掻いたりは誰でもするんだから次に上手く出来れば良いじゃない!!”と語りかけてくれたりする両親とかの適切なアドバイスが有ればその状況から脱出出来ます。

     

    またスポ―ツ選手などは監督やコ―チから“失敗から学んで次は相手を見返してやれ!!”くらいの激を飛ばされますのでイチロ―選手や北島康介選手や錦織圭選手のように世界№1の過酷な普段の練習を経て試合や大会をリラックスして緊張を楽しめるようなアスリ―トも出て来ました。

     

    とても頼もしい日本の若者たちは世界中のあらゆる人々と会話や食事や行動を楽しんでいます。しかし私も含め、まだ日本の多くの方々は、この緊張を克服出来ていないように思われます。例えば、学級発言、ママさん会・マンション自治組合・町内会発言、学会発表、会社の朝礼発言、会社の上司・同僚・部下との会話や会議での発言、プレセンテ―ション発表、新しく出会った異性との会話・食事・カラオケなどなど数え上げたら、きりが有りません。もちろん“あがり症”を自認する自己完全欲の強い私自身も全く同じ状況です。

     

    心情としては、これだけ準備したし、経験を積んできたんだから、“上手く発言や行動したい!!”そして、さすがですね!と思われたい。“失敗して恥を掻きたくない!!”優しく分かりやすくて丁寧な説明でした!と思われたいと言う気持ちが強くなり、緊張し過ぎて笑顔でお話しを伺えない時はとても申し訳ありませんと言う気持ちで一杯になります。

     

     

    ~対人恐怖と対人緊張の治療~

     

    基本的には対人恐怖の項目で記載致しましたお話とお薬の治療を行ないながら、患者さま自身から、ご自身は病気では無く“1回や2回ぐらい恥を掻いたくらいなら、次に上手く行けばいいんだよね!?”とサラリと次に来る機会を待ちます。

     

    その機会を楽しみに受け入れられるように患者さま自身の“心のこだわり・不安・緊張・恐怖”から発症する自律神経機能不全への負の連鎖を断ち切り、お薬を飲みながらでも“今まで出来なかった人との繋がりや人混みへの外出も、少しずつ出来るように成ってきたよね!!”と患者さま自身から、“自分も行動すれば出来るんだ!!”という自信を獲得して成長されて行き、行動範囲が広がり、お薬からも卒業されることが、精神科医としての私の切なる願いですし、何物にも替えがたい思いです。

     

    当院のデイケア等を利用されて、スタッフ(臨床心理士・精神保健福祉士・看護師)などと相談されて、参加されている他のメンバー様と対人恐怖や対人緊張を克服できるようにデイケアに参加して人間関係を作り上げることも効果的だと思われます。

     

    ■お薬について

    当院での、お薬は抗うつ剤(SSRI・SNRI)とは異なり、不安・緊張・恐怖を和らげ、めまい・ふらつき・耳鳴りも和らげ、吐き気も抑え、衝動性も抑えてくれます。もちろん副作用や依存性が少なく離脱し易く、数カ月で終了する予定で処方しております。

     

    上記でふれましたけれど、対人恐怖・対人緊張では自律神経のバランスが崩れますので、自律神経のバランスを整えるほんの少量のお薬と併用しますと動悸・息苦しさ・発汗・赤面・瞼の痙攣・滑舌不良・手足のしびれ・手足の震え・全身のしびれ・頭痛・肩凝り・腹痛・下痢など様々な症状(自律神経機能不全)に非常に効果的です。

     

    ■その他の治療法

    (対人恐怖・対人緊張は心の不安定さから、症状として自律神経のバランスが崩れる:自律神経機能不全)は以下に記載しました。

     

    自律訓令法の実際:佐々木 雄二;創元社(九州大学の心療内科で研究され、現在、筑波大学の心理学の教授 DVD&CD)JR川崎駅東口のアトレ6階の有隣堂のサ―ビス・コ―ナ―に川崎メンタル・クリニックで依頼しています。

     

    ヨガの達人の境地になると本来、本来、自分ではコントロ―ル出来ない自律神経をコントロールし不安・緊張・恐怖を和らげ、自律神経機能不全を改善させられると言われており、これをドイツの精神科医シュルツが分析・暗示療法として開発し佐々木 雄二 先生が確立されました。

     

    DVD(28分)を自宅で週2回くらい観られて、自身の気になる症状はAppleやSonyのi-pod などに集中してリラックスしたいパ―トをダウンロ―ドをして、いつでも聞ける状態にされて下さい。会議やプレセンテ―ションの前や常に聞いてリラックス出来るようにしておいて下さい。これにより動悸・息苦しさ・発汗・滑舌不良・吐き気・手の震え・めまい・下痢の改善を図り、不安・緊張・恐怖などから生じる前記の症状を解消して行きます。但し、ダイエットと同じようで、中々、継続することは難しいと言われる患者さまも多いです。

     

     

    対人恐怖や対人緊張と自律神経機能不全との関連性については様々な神経症の分類の中に分かれて部分的に含まれていると思われます。
    世界保健機関(WHO)や米国精神医学会分類との間に見解の相違も有すること、前記しました様に日本人独特の他民族との交流が少なかったという歴史から、日本の人々にも総て当てはまるのか当てはまらない場合もあるのかは、個々人により異なると思われます。自律神経機能不全症状が表われる各神経症は不安や抑うつを伴う場合も多く、その項目もご参考にされて頂いたら幸いです。

    2016.05.20

  • doctor

    全力を尽くして診療にあたっています。

    川崎メンタルクリニックは、お電話でご相談される方やご来院される方には、心からの思いやりと医師ならびに社会人として生き抜いて来ました包容力や精神力、心療内科医、精神科医として最新の技術力の高さを維持し続け、院長として皆様を心からお待ち申し上げております。

     

    京都大学医学部卒業以前には、卒業後、世界中で何処でも何時でも、技術も心も身体もお役に立てる精神科医あるいは緊急時にも平穏時にも最善を尽くせる最新医療技術を学び有能に実践出来て思い遣りに溢れた救命救急外科医師として通用するように成れる医師を目指していました。

    それは究極的には医師としては救わなければならないのは命と身体と残された心の問題でも有ります。もちろん、命と身体が救われても心は不安、恐怖、将来に及ぶ絶望感にご本人と共にご家族も苛まれ続けます(もう一つの精神医療でもあり、リエゾンとも言われます)。

     

    私は自らに選択を迫られましたが、最優先は身体医学、最先端の技術を習得可能な救命救急外科医を目指す事と致しました。それには京都大学医学部附属病院で受け容れて下さる、生命に関わる脳神経外科、心臓血管外科、呼吸器外科を選択する必要が有りました。

    当時の京都大学胸部疾患研究所では赴任先の医療機関も含めて心臓血管外科も呼吸器外科も研修可能な制度でした。私は医局の人事配置により、大阪から東京まで国立がんセンタ-中央病院の現在の総長をされておられる土屋了介先生の肺癌の執刀助手も務めさせて頂き、後の手術手技がより安全で確実になりました。

    更に土屋先生は患者さまの身体にメスで創を入れるという治療は患者さまの人生を背負う事になる位の覚悟で外科医としての道を究めなさいと患者さまに対する熱い思いと外科医として目指す道をも示して下さいました。

    この熱い思いを常に胸に抱きながら診療、手術を執刀しつつ、また当時、日本で数人と限られていた京都市立病院の大迫 努先生の下で肺癌の内視鏡下手術を手術室で30回近く拝見し、手術執刀可能とのご許可を頂き、それ以後一例も肺癌の内視鏡下手術の執刀過誤も合併症も無く施術可能となり、順調に胸部外科部長として集中治療室に於いても他の科の呼吸循環管理も行い精進努力してまいりました。

     

    また私が30代には日本に癌の告知技術が認知されておらず、どなたも執筆されておられないので、不思議に思っておりました。私自身としては、癌に罹患されていることや、転移そして余命の予測期間の告知は必要不可欠との思いが有りました。

    何故なら、ご本人の治療を積極的に受けられる意志、余命の期間にご自身の人生を如何に過ごされたいのかは、ご本人の生命に対する必要不可欠な情報を知る権利であり、如何なる存在、例えご家族でも告知を遮る事は出来ないとの信念がありましたから。

    そのために担当看護師・師長と共に何十時間話し合いを続けて、お互いに相互理解にまで達しました。その結果を得て、奥様に告知の必要性と告知をし得なければ、これ以上治療を進められない状況を出来る限り分かりやすく誠意を込めて説明致しました。

    最終的には、奥様の同意を得られて、ある日の午後、夕日が沈む頃、奥様とご一緒の個室で担当看護師・師長と共にお話を静かに始めました。お話始めて15分も経たない内に私の心が動揺して来るのを感じ、その後5分も経たない内に溢れる涙を抑えきれずに、嗚咽に近くなりました。

    謝罪を申し上げ、再び話を続け最初の告知終了までには1時間以上掛かりました。私が話し終えたときに患者さまが私の手をしっかりと握りしめ“先生。よくお話して下さいました。ありがとうございます。”と仰って下さいました。奥様も担当看護師・師長も溢れる涙が止まらないようでした。
    この頃が日本での癌告知の草創期と思われました。癌の転移の告知に関しては更に遅れました。

    実はこれからが告知致しました患者さまとご家族との信頼関係を保つために、深夜・早朝・土日・祝日と年中、病院勤務は必要不可欠となり、ベッド・サイドで患者さまとご家族とのお話を続けながら10年以上、休日返上の医師人生でした。
    命と身体が救われても心は不安、恐怖、将来に及ぶ絶望感にご本人と共にご家族も苛まれ続けます。

     

    しかし、最初に記載致しましたように様に命と身体が救われても心は不安、恐怖、将来に及ぶ絶望感にご本人と共にご家族も苛まれ続けます。そして熟慮の結果と申し上げますが、悩み続けて、もう一つの精神世界(心の悩み)としての精神科医への転身を決意致しました。
    現在は日本精神神経学会の専門医の指導医・専門医として2回の更新を経て川崎メンタルクリニックの診療にあたっております。

     

    生と死の交差点(希望と絶望の交差点)で患者さまに再び生きる勇気と喜びを取り戻して頂くために全力を尽くして診療にあたります。
    身体医学では、患者さまは、生き続けたいのに死を受け容れなければならない患者さまが死の恐怖と不安の中から、涙と笑いを通して戦い続ける姿勢に、私は深い感動と勇気を与えられました。
    精神科・心療内科を受診される患者さまは、元気に生き続けられるのに、あまりにも早くあきらめたり、死に急ぐ患者さまに、生きる喜びを再び取り戻して頂きたいと日々願い、診療を行っております。

    生と死の交差点(希望と絶望の交差点)で患者さまに再び生きる勇気と喜びを取り戻して頂くために全力を尽くして診療にあたります。

     

    2016.05.20

  • doctor

    統合失調症と急性一過性精神病性障害

    統合失調症

     

    ■主たる症状

    早期あるいは前駆症状(漠とした緊迫困惑気分・自生思考・被注察感)の段階で薬物治療を開始すれば早期に完全寛解にいたるとの報告もされています。

    統合失調症の内、クリニックで診察・治療する症例は主に妄想型統合失調症です。

    1つ、またはそれ以上の妄想(被害妄想・被害関係妄想・高貴な生まれという妄想・特別な使命があるという妄想・体が変わってしまうという妄想・嫉妬妄想)・頻繁に脅したり命令したりする幻聴・まとまりのない会または話・まとまりのない行動・平板化したまたは不適切な感情

     

    ■治療方法
    クロールプロマジンから始まり様々な抗精神病薬が開発され適用されていますが、それぞれの薬の特徴がありますが、また副作用もあります。それぞれの症状に合った処方により、ある程度、軽快する場合もあります。辛抱強くその患者さまに合ったお薬を調整して行くことが大切です。
       

    ただ、幻聴、特に覚醒剤中毒による幻聴には中々、どのお薬も効果が不十分で治療に難渋します。

    次の項目で予後良好・不良な因子について記載致します。

     

    ■発病原因および治療経過
    ストレスに脆弱な個人的な素因・遺伝性素因・両親および家族との歪んだ関係など様々な研究が報告されていますが、特定出来る原因は未だ不明な点も多く残されています。

     

    □予後良好な因子:遅い発症年齢・急性発症・社会的、性的、職業的に良好な病前の生活歴・気分障害症状(特にうつ病性障害)・既婚・気分障害の家族歴・良好な支援組織・陽性症状

     

    □予後不良な因子:早い発症年齢・潜行性の発症・社会的、性的、職業的に乏しい病前の生活歴・引きこもり、自閉的な行動・未婚、離婚、または死別・統合失調症の家族歴・乏しい支援組織・陰性症状・周産期外傷の病歴・3年間寛解なし・多数回の再発・暴行歴

     

     

     

    急性一過性精神病性障害

     

    ■主たる症状

    統合失調症と同様な症状、妄想(被害妄想など)・幻覚(幻聴)・理解しにくいまとまりのない会話・精神運動興奮から起こる錯乱状態、またはこれらの症状の組み合わせが、急性に発症したものであることです。精神病症状の初発から障害が完成されるまでの期間は、2週間を超えないことです。

    この障害の急性発症が急性ストレス因子(最初に精神病症状が発現してくる前の2週間以内に起こっていること)をともなう場合とともなわない場合があることも重要な治療経過に影響します。

     

    ■治療方法
    統合失調症に準じ抗精神病薬に依る薬物治療を主体とします。外来で治療可能な場合もあれば、精神運動興奮から精神的錯乱状態や情動の爆発性から暴力・衝動行為をともなう場合は入院・措置入院から開始する必要があります。

     

     

    ■発病原因および治療経過    
    急性発症は、治療に対し良好な経過と関連しているという統計が報告されており、発症が突発性であればあるほど、経過もより良好であると考えられています。したがって、突発性発症(48時間以内)に該当する場合にはより詳しく関連する急性ストレス因子なを特定することが望ましいと思われます。

    しかしながら、急性一過性精神病性障害のかなりの症例ではストレス因子とは関連なく発症するという報告も限られてはいるがあるので、ストレス因子については、その有無を正確に把握することが重要です。
    典型的なストレス因子は死別・配偶者を失うこと・職を不意に失うこと・結婚・テロおよび暴力による心理的外傷などと推定されます。
    長期間続く苦悩や困難は、この場合のストレス因子とは思われません。

     

    通常は2~3ヵ月以内、しばしば数週間あるいは数日以内に薬物治療により完全に回復し、これらの障害に罹患した患者さまの中で持続的に能力の低下した状態に陥る症例は極めてわずかです。
    残念なことに、早急な回復を望めないわずかな患者さまを早期に予見することは、現在のところ不可能です。

     

    48時間以内および2週間以内という診断基準についての重要な点は、これらの障害が最も重症になった時間ではなく、精神病性の症状が明らかになり、少なくとも日常生活や仕事上の場面に何らかの支障が出てきた時間として考えられていることです。
    いずれの場合も、その後に障害の極期へと増悪しますが、通常患者さま自身か家族あるいは会社の方と何らかの援助機関や医療機関と接触をもつようになるという意味で、症状や障害が治療に適切な時期までに明らかになれば安全な治療の繋がると考えられています。

    2016.05.20

  • doctor

    自律神経機能不全を伴う神経症(1):広場恐怖症(パニック障害をともなうもの・パニック障害をともなわないもの)

     

    自律神経機能不全を伴う神経症

    (1):広場恐怖症

     

    自律神経機能不全

    (動悸・胸苦しさ・息苦しさ・発汗・吐き気・胃痛・腹痛・下痢・めまい・ふらつき・耳鳴り・赤面・瞼の痙攣・滑舌不良・手足のしびれ・手足の震え・全身のしびれ・頭痛・肩凝りなど様々な症状)

    恐怖症性不安障害の含まれる神経症
     自律神経機能不全を伴う神経症(1):広場恐怖症

    広場恐怖症
      パニック障害をともなうもの
      パニック障害をともなわないもの

     

     

    ■発症し易い状況
    主として知らない人の中で症状は出現し易いので、出勤や外出も制限されやすく、日常生活や社会生活に著しい影響が出やすいです。休職や引きこもりに繋がり易い傾向に有ります。対人恐怖に近い精神的不安・緊張・恐怖とも思われます。
    例えば、乗り物(電車・バス・飛行機)・人混み・ス―パ―やコンビニでのレジ待ち・買い物・美容室・歯医者さん・自宅から離れる時・時には自宅に一人で居る時にも(症状が起こった時に誰の助けも得られない予期不安)。

     

    パニック障害は激しい恐怖または不安から数分の内に動悸や胸苦しさや息苦しさなどが強となり少なくとも数分間は持続し、倒れこんで人々の助けを借りたり、医療機関に救急搬送されたりしますけれど,呼吸循環器・脳神経の検査でも全く異常は認められないことが多いです。

    でも患者さまは一度経験された恐怖の再発に常に怯え、転々と多くの医療機関を探し求める傾向に有ります。

     

     

    ■発症する症状

     

    □自律神経機能不全症状
    動悸・胸苦しさ・息苦しさ・発汗・吐き気・胃痛・腹痛・下痢・めまい・ふらつき・耳鳴り・赤面・瞼の痙攣・滑舌不良・手足のしびれ・手足の震え・全身のしびれ・頭痛・肩凝りなど様々な症状

    □精神状態に関する症状
    気が遠くなり、頭がくらくらする感じ・物事に現実味が無い感じ(現実感喪失)、あるいは自分自身が遠く離れて「現実にここに居る感じがしない」(離人症)
    自制が出来なくなる。気が狂いそうだ。あるいは気を失うという恐れ。
    死ぬのではないかという恐怖感。

    □全身的な症状
    回避あるいは不安症状のために明らかに苦痛を感じ、またそれが過剰で不合理であると分かっていること。
    症状は上記の予期不安から恐怖症的状況におかれたり、その状況を想定した時のみに限られること。

     

     

    ■治療法
    対人恐怖や対人緊張と同様で効果的と思われます。

    基本的には、お話とお薬の治療を行ないながら、患者さま自身から、ご自身は病気では無く“これからは、少しずつ積極的に行動して行ければいいんですよね!?”とサラリと次にくる 機会を待ちます。しかし、お話だけでは、理解されても直ぐには精神的不安・緊張・恐怖を克服するのはとても困難と思われます。数カ月でお薬の補助をされなくても自信を持って、楽しめるようになりますよ。

     

    その機会を楽しみに受け入れられるように患者さま自身の“心のこだわり・不安・緊張・恐怖”から発症する自律神経機能不全への負の連鎖を断ち切るために、お薬を飲みながらでも“今まで出来なかった乗り物(電車・バス・飛行機)・人混み・ス―パ―やコンビニでのレジ待ち・買い物・美容室・歯医者さん・自宅から離れること・時には自宅に一人で居ることも、少しずつ出来るように成って来ましたよ!!”と患者さま自身から、“自分も行動すれば出来るんだ!!”という自信を獲得して成長されて行き、行動範囲が広がり、お薬からも卒業されることが、精神科医としての私の切なる願いですし、何物にも替えがたい思いです。

     

    ■お薬について
    当院での、お薬は抗うつ剤(SSRI・SNRI)とは異なり、不安・緊張・恐怖を和らげ、もちろん副作用や依存性が少なく離脱し易く、数カ月で終了する予定で処方しております。
    自律神経のバランスを整えるほんの少量のお薬と併用しますと自律神経機能不全症状の動悸・胸苦しさ・息苦しさ・発汗・吐き気・胃痛・腹痛・下痢・めまい・ふらつき・耳鳴り・赤面・瞼の痙攣・滑舌不良・手足のしびれ・手足の震え・全身のしびれ・頭痛・肩凝りなどに非常に効果的です。

    2016.05.20

  • doctor

    自律神経機能不全を伴う神経症(2):社会恐怖症(社会不安障害・社交不安障害)    

     

    自律神経機能不全を伴う神経症(2)

    社会恐怖症(社会不安障害・社交不安障害)

     

    自律神経機能不全

    (動悸・胸苦しさ・息苦しさ・発汗・吐き気・胃痛・腹痛・下痢・めまい・ふらつき・耳鳴り・赤面・瞼の痙攣・滑舌不良・手足のしびれ・手足の震え・全  身のしびれ・頭痛・肩凝りなど様々な症状)

     

    恐怖症性不安障害に含まれる神経症
     自律神経機能不全を伴う神経症(2):社会恐怖症(社会不安障害・社交不安障害)

     

    社会恐怖症(社会不安障害・社交不安障害)

     

    ■発症しやすい状況

    広場恐怖症とは異なり言動や行動に非常に強い制限までは受けませんが、ご本人にとっては日々、苦痛を伴う毎日です。知っている人々との交流の際に不安・緊張・恐怖を感じ、自律神経機能不全症状を併発してしまいます。

     

    会社での上司・同僚・部下との会話から会議・会議での発言・プレゼンテ―ション・上司や同僚や部下との食事・顧客との電話での対応に至るまで不安や緊張、恐怖から一日中、逃れることが出来ません!ママさん会の会合や食事会・学級参観・マンションションの自治組合会・町内の会合も苦痛のあまり電話で出席出来ない理由を考えるのも面倒です。
    これらの根底の気持ちとしては“注目の的になるのではないか!?”“収拾のつかない恥ずかしい言動や行動をしてしまうのではないか!?”という強い恐怖感。

     

    そして、そういう恐れの有る状況を、言い訳を作り何としてでも回避して、出席しないようにする。

    人前での発言や食事、人なかで知人と偶然出会うとか、パ―ティ―・会合・お教室などの少人数の集まりに参加するとか、付き合わされるなどといった社愛的状況で症状が発症し易い。

     

    症状が発症しないように回避し続けることに明らかに苦痛を感じ、また、それが過剰な行動で不合理であることを理解しておりジレンマを感じている。

    症状の発症は恐怖症的状況におかれたり、その状況を想像して考えたりした時のみに限定される。

     

     

    ■治療法およびお薬について

    広場恐怖症と同様に面接での、お話により現在の症状と発症する状況について充分に理解して頂き、副作用や依存性が少なく不安・緊張・恐怖を和らげる軽いお薬と自律神経のバランスを整えるお薬のほんの少量だけで、抗うつ剤(SSRIやSNRI)は全く処方致しません。恐怖が安らぎへととても効果的に変換されます。患者さまが少しずつでも回避されずに行動することで自身から“私にもお薬の補助はあるけれど、少しずつ行動出来るんだ!!”と自信から確信へと向上し、数カ月から半年でお薬から卒業して回避しないで、楽しみながら行動を積極的に広げられるようになりますよ。ご安心して来院されて下さい。いつでも、お待ちしておりますね。

    2016.05.20

TAGタグ

かかりつけの病院をアプリでひとつに!
page top